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マンションの防犯性を高める対策について解説
オートロックや管理人常駐などの点から防犯性が高いとされるマンション。確かに一戸建てやアパートと比較して空き巣被害は少ないものの、ゼロではありません。そのため、各個人でしっかりと防犯対策に努めることが大切です。
今回は、マンションで有効な防犯対策について解説します。玄関や窓などの侵入経路ごとの対策はもちろん、普段の生活から気を付けることもありますので、ぜひ行ってみてください。
マンションの空き巣被害
マンションの空き巣発生件数は、4階建て以上で1,900件、3階建て以下で4,083件です(令和2年警察庁統計より)。
マンションとアパート両方含めると、1日に16件以上の空き巣被害が発生している計算になります。
防犯性が高いとされているタワーマンションでも空き巣被害は発生しているので、どんなマンションでも防犯対策を行うことが大切です。
マンションに侵入する手口
マンションに侵入する手口として多いのが、
- ・鍵をかけていない場所からの侵入
・合鍵を使った侵入
・窓ガラスを割って侵入
の3つです。
他にはドア錠こじ破りやサムターン回しなどの被害もあります。
鍵をかけていない場所からの侵入
鍵のかかっていない玄関や窓から侵入する手口です。玄関の方が手口としてよく使われます。
「オートロックがあるから」「登ってこられないから」というマンション特有の油断から被害に遭いやすいです。
長時間の外出はもちろん、ゴミ捨てやコンビニへの買い物など少しの時間鍵をかけずに外出した隙も狙われてしまいます。
合鍵を使った侵入
玄関近くやポストなどに隠した合鍵を使って侵入する手口です。
こちらもマンション特有の「玄関までは来られない」「オートロックとダイヤル錠でポストを開けられない」という油断から侵入手段としてよく使われます。
ポストは簡単に開けられてしまいますし、投函口から鍵を取ることも可能です。また、玄関近くに鍵を隠している様子を外から見られたら、格好の的となってしまいます。
窓ガラスを割って侵入
ベランダや居室の窓を割って侵入する手口です。
最近ではドライバーで鍵の近くだけを割ったり、ガラスに熱を加えて割ったりする手口があります。どちらも大きな音が出ないので、犯行の様子が気付かれにくいです。
ドア錠こじ破り
ストライク(鍵を受ける場所)部分をバールなどでこじ開けて、鍵を無効にする侵入手口です。
鍵をかけていてもこの方法をやられてはひとたまりもありません。ドアも破壊されるので修繕費もかかってしまいます。
サムターン回し
室内から鍵を操作する場所をサムターンと言います。このサムターンを外から手や工具を使って回し、鍵を開ける侵入手段です。
ドア付近に窓が付いていたり、玄関ドアがガラスでできていたり、ドアスコープが付いていたりすると、サムターン回しの被害を受ける可能性があります。
マンションで有効な空き巣対策
マンションで行く使われる空き巣の侵入方法を解説しました。それを踏まえて、マンションで有効な空き巣対策をご紹介します。
玄関、窓で行うべき防犯対策と、普段の生活からできる防犯対策について解説しますので、できることから始めてください。
マンションの玄関で行うべき防犯対策
まずは玄関ドアに行うべき防犯対策です。お金を必要としない対策から、グッズを使った対策までご紹介します。
玄関ドアの鍵は必ずかける
ゴミ捨てなど少しの時間でも家を留守にする時は必ず鍵をかけるようにしましょう。そうすることで大半の空き巣被害を防ぐことができます。
また、家に帰ってきた時もすぐに鍵をかけるようにしてください。在宅中に部屋に侵入して犯行に及ぶこともあります。特に、女性の場合は窃盗以外の被害に遭うことも多いので、鍵のかけ忘れには注意しましょう。
鍵を持ち歩く
玄関近くやポストに鍵を隠しておくのはやめて、鍵を持ち歩くようにしましょう。
なくすのが心配な方は、大きめのキーホルダーやスマートタグをつけるとなくしにくいです。また、カバンの奥底に入れておくと知らない内に落とすということを避けることができます。
どうしても持ち歩きたくない方はスマートロックがおすすめです。スマホやICカード、暗証番号で開けられるため、鍵を持ち歩く必要はありません。オートロック機能もあるので、鍵のかけ忘れも防ぐことができます。
サムターンガードを付ける
防犯仕様のサムターンになっていれば、工具を使ったサムターン回しを防ぐことができます。
しかし、サムターンが防犯仕様になっていなかったり、手でサムターンを回せそうなスペースがあったりする場合は、サムターン回しを防ぐことはできません。
そこで有効なのがサムターンガードです。鍵付きのものを付ければ、手を使ったサムターン回しも防ぐことができます。子どもが勝手に鍵を開け閉めするのも防止できるので、一石二鳥です。
ガードプレートを付ける
ドア錠こじ破りはドアと壁の隙間にバールを入れてこじ破ります。つまり、その隙間を埋めることができればこじ破りを防ぐことが可能です。
隙間を埋めるためにガードプレートを取り付けましょう。これによりバールによる攻撃を無効にできます。
マンションの窓で行うべき防犯対策
次はマンションの窓で行うべき防犯対策です。特に、窓付近に足場がある方は対策を行いましょう。
窓の鍵をかける
窓から侵入してくる空き巣の多くが、鍵のかかっていない窓を狙います。そのため、窓に鍵をかけることから対策を始めましょう。
ベランダや居室など侵入しやすい窓はもちろん、玄関近くの小窓などの鍵をかけることも大切です。
体が入らなくても、工具を使ったサムターン回しなどの被害に遭う可能性がありますので、小窓でも油断してはいけません。
窓に補助錠を付ける
窓の鍵を開けたまま過ごしたい方もいらっしゃると思います。そのような方は窓に補助錠を付けてください。補助錠があれば、好きな場所で窓を止められます。
仮に窓ガラスが割られて窓の鍵が開けられたとしても、補助錠があれば侵入を防ぐことが可能です。
窓の上の方に付ければ、子供が窓の外へ出てしまうトラブルも防ぐことができます。
窓を防犯仕様にする
補助錠があっても、窓ガラスを完全に割られると侵入されてしまいます。それを防ぐには防犯ガラスに交換するか、防犯フィルムを取り付けましょう。
そうすると、窓に衝撃が加わってもバラバラに分散しないので、窓に穴が開きません。体を入れるどころか手も入らなくなるので、空き巣の侵入をブロックすることができます。
防犯フィルムは窓全体に貼ることで最大の効果を発揮しますので,鍵の部分だけ貼るなどは避けてください。
普段の生活から行うべき防犯対策
最後は普段から行うべき防犯対策をご紹介します。直接的に空き巣をブロックできるわけではありませんが、空き巣に狙われにくくする方法です。
マンション内のコミュニティを形成する
空き巣は挨拶や声をかけられることを嫌います。声をかけられてことで犯行を諦めた空き巣もいるほどです。
マンション住人同士のコミュニケーションをしっかりと取ることで不審者の存在に気づき、空き巣をブロックすることができます。まずは挨拶から始めて、情報共有、相互監視など防犯対策になる行動をとりましょう。
盗まれそうなものを隠しておく
万が一、空き巣に入られたとしても盗まれなければ、不幸中の幸いです。時間をかけさせて犯行を諦めてもらうためにも、貴重品はなるべく隠しておきましょう。誰がどう考えても見つからないような場所に隠しておくのがベストです。
金庫に入れておくと、金庫ごと盗まれてしまう可能性があるので、金庫を見つからない場所に隠してください。
また、現金など盗まれると返ってこないものは自宅に置かず、銀行などに預けておきましょう。
室内を見せないようにする
室内の様子を見られると、空き巣のターゲットにされたり、衝動的に襲ってくる人に狙われたりして危険です。そのため、カーテンを閉めて室内の様子を見られないようにしましょう。
日差しを取り入れたい場合は、すりガラスなどにして外から見えないようにするか、レースカーテンを閉めるようにしてください。
ベランダは見えやすくする
室内の様子を見せないためにはベランダの目隠しも必要です。しかし、必要以上に目隠しをすると、空き巣の犯行が外から見えなくなり、気が付かない可能性があります。
プライベートは守りつつ、不審者の様子には気が付くくらいのベランダがベストです。反対に、大きなものを置くと空き巣が隠れる場所になります。モノが少なく、整ったベランダにしましょう。
女性用の衣服を外に干さない
女性用の衣服が外に干してあるだけで危険です。女性がいることを確認して空き巣に侵入したり、衣服そのものを盗まれたりする可能性があります。
男性用の衣服と一緒に干していても、女性の衣服のみを狙って盗むこともあるので、外に干さない方が賢明です。
ただ、男性用衣服と一緒に干しておくことで、一人暮らしだと思われず、襲う目的で侵入してくる犯行を抑止することができます。
マンションで防犯対策を行う時の注意点
ここまでマンションの防犯対策についてご紹介してきました。もちろん、どの対策もすぐに行ってほしいのですが、注意点があります。
賃貸住宅の場合は許可が必要なことがある
賃貸住宅の場合、物件の所有権が貸主にあります。そのため、入居者が勝手にリフォームなどを行うことができません。
防犯フィルムやガードプレートなど見た目が変わるような対策は、あらかじめ貸主に許可を取りましょう。そうすることでトラブルを回避することができます。
なお、補助錠やサムターンガードなど、室内で傷などつけず、すぐに原状復帰できるものに関しては、許可は必要ありません。
共有部分の変更は許可を得る
分譲マンションだと専有部分の防犯対策はある程度自由にできます。しかし、玄関ドアの外側やベランダなどは共有部分になるため、管理組合の許可が必要になることが多いです。
ガードプレートや鍵交換、玄関ドアの交換などはあらかじめ管理人などに相談をして、許可を得てからにしてください。
せっかく取り付けたものが、管理規約違反で外される可能性もあるので、許可を取ってからの方が安心です。
マンションの防犯対策で安心な毎日を
「マンションだから空き巣に狙われない」「オートロックがあるから大丈夫」という油断があると、空き巣に入られる可能性が高まってしまいます。
普段から鍵をかけるのはもちろんのこと、窓ガラスの防犯対策も非常に重要です。特に、3階以下だと空き巣が入りやすくなっているので、より一層の防犯対策に努めましょう。