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賃貸住宅の防犯対策について解説
賃貸住宅を探す時に『セキュリティ』の項目があるほど防犯性を気にする方が多いです。
空き巣はもちろん、その他犯罪にも遭いたくないですよね。
今回は賃貸住宅の防犯対策について解説します。
現在住んでいる方も、これから住もうとしている方も、これからご紹介する防犯対策を行って安心できる住環境を手に入れてください。
賃貸住宅で防犯対策を行う時の注意点
賃貸住宅で防犯対策を行う場合、一戸建てや分譲マンションとは異なり、様々な制約があります。
それらを理解し、クリアした上で防犯対策を行いましょう。
原状復帰できるようにする
賃貸住宅では退去時に原状復帰が義務付けられています。もし、原状復帰できない場合は、原状復帰代が請求されるかもしれません。
交換した家具などは必ず保管し、退去時にもとに戻すようにしてください。
大掛かりなものは貸主の許可を取る
もし、原状復帰が難しいような防犯対策や、見た目が変わるような対策を行う場合は、事前に貸主の許可をもらいましょう。
賃貸住宅の所有者は貸主なので、貸主の許可なくリフォームなどをするのはNGです。
どこまで許可が必要なのかは物件によって異なるので、気になる場合は聞くようにしましょう。
貸主によっては防犯対策に対して原状復帰を求めない場合もあるので、許可をもらうと良い方向に働くこともあります。
穴開けなどはなるべく行わない
鍵の取り付けなどの際に、穴をなるべくあけない方が良いです。釘やネジ程度の大きさになると入居者が原状復帰代を払うことになります。
今は穴を開けなくても使える防犯グッズがたくさんあるので、それらを使うようにしましょう。
賃貸住宅の防犯対策
様々な制約がある上でどのような防犯対策を行えばよいのでしょうか?
賃貸住宅に焦点を当てた対策を
- ・玄関
・窓
・その他の場所
の3つに分けて解説します。
玄関ドアの防犯対策
まずは玄関の防犯対策から解説します。
防犯性の高い鍵に交換する
賃貸アパートでは、稀にピッキング弱い鍵が使われていることがあります。その場合、空き巣の被害に遭いやすいので防犯性の高い鍵に交換しましょう。
鍵の交換には貸主の許可が必要になるので、相談してから交換するようにしてください。
ピッキング被害遭いやすい鍵の種類はこちらから確認できます。
サムターンカバーを付ける
内側から鍵を操作する部分がサムターンです。そのサムターンを外側から工具などを使って不正に開ける侵入手段があります(サムターン回し)。
それを防ぐにはサムターンカバーを付けましょう。サムターンカバーが工具の邪魔をするのでサムターン回しを防ぐことができます。
ダイヤルロック機能が付いたサムターンカバーを付ければ、子どもが外へ出て行ってしまう対策も可能です。
ドアスコープとドアポストに目隠しをする
賃貸住宅ではドアスコープやドアポストが付いていることがあります。何も対策をしていないと、盗撮や覗きの被害に遭うかもしれません。
そのため、ドアスコープとドアポストに目隠しをしましょう。専用のカバーやマグネット、ガムテープなどで目隠しができます。
ドアスコープやドアポストを交換したり塞いだりする場合は、貸主に許可を取りましょう。
ガードプレートを付ける
ドアの鍵をバールなどで無理やりこじ開ける手口も発生しています。
それを防ぐのに有効なのがガードプレートです。ドアと壁の隙間を塞ぐことができるので、バールが入る隙間をなくすことができます。
ガードプレートは玄関の見た目が変わるので貸主に許可をもらうようにしましょう。製品によりますが、既存のネジ山を利用するので新たに穴を開ける必要はありません。
その他、玄関の防犯対策が知りたい方はこちらをご覧ください。
窓の防犯対策
続いては窓の防犯対策です。
窓も侵入経路としてよく使われるのでしっかりと対策を講じましょう。
防犯フィルムを貼る
窓ガラスを割って、鍵を解錠して窓を開けるという侵入手口が多いです。なので、窓ガラスに穴が開かなければ侵入を防ぐことができます。
そこで役立つのが防犯フィルムです。これを貼ると、窓ガラスに穴が開きにくくなるので侵入を防ぐことができます。
防犯フィルムを窓全体に貼る場合、貸主の許可が必要です。念のため原状復帰できるようにした方が良いですが、貸主によってはそのままで良いと言われることもあります。
窓用の補助錠を付ける
防犯フィルムはお金が万単位でかかります。そこまで費用をかけたくない方は窓用の補助錠を付けましょう。
もし、窓の鍵が解錠されても補助錠を開けなければいけないので、侵入時間をかけることができます。うまくいけば、侵入を諦めさせることができるかもしれません。
つまみを回して固定するタイプや両面テープで貼るタイプもあるので、賃貸住宅でも使うことができます。鍵機能の付いた補助錠だとさらに防犯性を高めることができるのでおすすめです。
防犯アラームを付ける
防犯フィルムも補助錠も100%侵入を防げるものではなく、時間をかければいずれは突破されてしまいます。ただ、犯行の様子に気付くことができれば侵入される前に撤退させることが可能です。
防犯アラームは窓に衝撃が加わったり、開けられたりした時に警報音を発します。それに気づいた人が警察に通報してくれれば、侵入されずに済むかもしれません。
その他の防犯対策
玄関や窓以外の防犯対策もご紹介します。
防犯カメラを付ける
犯行の様子を証拠として集めておくと警察も捜査を行いやすいです。そのために防犯カメラを設置しましょう。
外側や壁に設置をするのは賃貸だと難しいので、室内からガラス越しでも撮影できるタイプを選ぶのが良いです。
向かいや近隣の部屋が映ってしまうとプライバシー上の問題になるので、設置する場所や撮影範囲を調整するようにしてください。
人感センサーを付ける
夜間、誰かがベランダなどに侵入してきた時、すぐ気づくことができれば犯罪を防げるかもしれません。
そこで有効なのが人感センサーです。人などが近づいてきた時にライトが光るので、侵入者に気付くことができます。
使用する際は、近隣に光が漏れないように配慮してください。
タイマー付きのライトを使う
家に誰かいる雰囲気を出すことができれば、空き巣が侵入する確率を減らすことができます。タイマー付きのライトを不在時に設定しておけば、あたかも家の中に人がいるように見せることが可能です。
常時、電気やテレビを付けておくよりも電気代を抑えられます。
賃貸住宅で日頃から気を付ける防犯対策
グッズによる防犯対策だけでなく、日頃から防犯に気を付けることが大切です。
空き巣やストーカーなどの被害に遭う確率を少しでも減らすために、ぜひ行ってみてください。
鍵をかける
空き巣被害に遭う一番の理由が鍵をかけないことです。鍵がかかっていないと手間と時間が一切かからずに侵入できてしまいます。
外出する時はもちろん、家にいる時も鍵をかけるようにしましょう。玄関はもちろん、窓の鍵も忘れないようにしてください。
鍵をかけ忘れてしまう方は専用のグッズや対策もあるので、そちらを試してみましょう。
鍵を持ち歩く
アパートやマンションだと合鍵による侵入が多いです。原因としては、ポストや玄関近くに隠した鍵を利用されることが考えられます。
なので、鍵は隠さずに持ち歩くようにしましょう。お子様に鍵を持たせるのが心配な方は、ストラップなどでカバンに括り付けたり、スマートタグで鍵の位置を把握したりすると安心です。
カーテンを閉める
家の中が見えてしまうと空き巣や暴行のターゲットにされる可能性があります。できるだけカーテンを閉めて、誰が住んでいるのか分からないようにするのが良いです。
日差しを入れたい時は、レースカーテンなどで家の中を見えにくくしましょう。カーテンの柄も女性らしくないものにすると、暴行や窃盗の被害に遭いにくくなります。
ゴミ捨ての日は守る
ゴミからレシートや公共料金の明細を抜き取り、個人情報を奪い取る人もいます。それを避けるためにはゴミ捨ての日を守ることが大切です。
ゴミが放置されると漁る時間が長くなるので、個人情報を抜き取られやすくなります。また、近隣住民からもルールを守れない人と認定され、情報共有などができなくなるかもしれません。
個人情報のあるゴミは細かくし、収集が来る前にゴミを捨てるようにしましょう。
近隣の方と顔見知りになっておく
防犯の基本は住民相互の連携と言われています。顔見知りが多ければ、不審者の存在に気付くことができ、被害に遭わずに済むかもしれません。
また、犯行に及んでいる様子を見付けて通報してくれる可能性もあります。顔見知りになっておくと防犯に置いてメリットがあるので、挨拶から始めてみましょう。
ただし、距離を縮め過ぎると違う犯罪に遭う可能性もあるので、程よい関係にしておくと良いです。
盗まれそうなものを家に置かない
万が一、空き巣に入られたとしても被害金額が少なければ不幸中の幸いです。そのためには家に高価なものをなるべく置かないようにしましょう。
特に、現金など保有者が分からなくなるものは盗まれると返却されにくいので、銀行や貸金庫に入れておくのが良いです。
どうしても家に置いておく場合は、金庫に入れ、どこかに隠しておくと盗まれにくくなります。
万が一に備えて道具を用意する
侵入者と鉢合わせた時のために護身用の道具を用意しておきましょう。相手にけがを負わせずに逮捕できるように包丁などの危険なものは避け、催涙スプレーやスタンガン、さすまたなどにしてください。
外出する時にスタンガンなどを持ち歩くと法律に抵触する可能性があるので、防犯ブザーなど危害を加えないものにしましょう。
防犯性の高い賃貸住宅の条件
最後にこれから賃貸物件を選ぼうという方向けに、どのような条件だったら防犯性が高いのかをご紹介します。
セキュリティを重視したい方はこれらの条件が当てはまるかどうかを見てください。
オートロック付き
オートロックがあれば、セールスや勧誘などが急に玄関まで来るのを防げます。また、部外者の侵入も一定数防ぐことが可能です。
しかし、オートロックは完全に侵入を防げるわけではありません。油断して施錠を忘れることがないようにしましょう。
防犯性の高い鍵が2箇所
ピッキングなどの不正解錠に強い鍵が玄関ドアに2か所以上ついている物件は防犯性が高いです。鍵を狙った侵入が非常に難しいので、玄関から侵入する空き巣をある程度防ぐことができます。
鍵は、ディンプルキーやウェーブキー、電子錠あたりが望ましいです。
ホームセキュリティに加入している
ホームセキュリティは最短5分、長くても25分以内に駆けつけてくれます。加入していれば犯行に及ぶ時間を短くすることが可能です。うまくいけば、その場で警備員が取り押さえてくれる可能性もあります。
留守にしている時間が長い方や、自衛が難しい方はホームセキュリティ付きの物件を選ぶと良いです。
管理が行き届いている
管理が行き届いていないと、空き巣のターゲットにされやすくなります。違和感があっても気づきにくく、住人も防犯や家のことに関心がないと判断されるためです。
また、荒れている場所では犯罪が起こりやすいという心理学的な結果も出ているので、空き巣以外の犯罪にも遭いやすくなります。
そのため、内見の時に管理が行き届いているか確認しておきましょう。ゴミや自転車が放置されていない、共有部分に故障がないような物件は管理が行き届いています。
歩道よりも高い位置に部屋がある
歩道と部屋が近いほど人が侵入しやすいです。また、覗きも簡単にできてしまいます。
防犯を気にする場合、なるべく歩道よりも高い階数や場所を選ぶようにしましょう。
侵入や覗きなどに遭う確率を減らすことができます。
また、外を歩いている人と目が合う恐怖やストレスを抱えないのもメリットです。
治安のよい場所に位置している
周囲の治安が良ければ、その物件も犯罪に遭いにくいです。候補の物件があれば、その周辺の犯罪情報を調べてみましょう。
市区町村単位はもちろん、地域単位で調べる方法もあるのでそれを活用するのが良いです。ただし、治安が良くても犯罪者はいますので、防犯対策を怠らないようにしましょう。
通りが明るい
夜道が暗いと背後から襲われたり、家の中に忍び込まれたりしやすいです。犯罪に巻き込まれないためには、人通りが程よくあり、街灯がしっかり点いている通りに面した物件にしましょう。
また、帰宅時は誰か付いてきていないかを確認し、すぐ逃げられるよう周囲の気配を感じておくのが大切です。
賃貸住宅だからこそ防犯対策をしっかり行おう
賃貸住宅は制約があるため、自由に防犯対策を行うことができません。それが原因で対策を怠ってしまうと、その隙を狙われてしまいます。
制約がある中でもできる防犯対策を行い、犯罪に巻き込まれない安心した生活を送りましょう。