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ドアポストの防犯対策について解説
玄関ドアにポストが付いていると防犯的に危険だと言われていますが、なぜ危険なのでしょうか?
今回はドアポストに防犯対策は必要な理由と、具体的な対策方法について解説します。ドアポストが付いている方、防犯に不安を感じている方はぜひ参考にしてください。
ドアポストの防犯対策が必要な理由
なぜドアポストの防犯対策が必要なのでしょうか?その理由から解説します。
サムターン回しに利用される
サムターン回しとは、外側から工具や手などを使ってサムターン(室内から鍵を操作する部分)を回して不正に開錠する方法です。
ドアポストは道具や手を入れやすい大きさを持ち、鍵との距離も近いのでサムターン回しに利用されます。
特に、ドアポストが上に開くタイプや隙間が開いているタイプ、簡単に外れる状態だと危険度が高いです。
部屋の中を見られる
ドアポストから室内の様子を覗く犯行も起きています。ポストの受け側に隙間が開いていると部屋の中が見えやすいです。
また、スマートフォンをポストの中に入れれば、盗撮することもできてしまいます。
いたずらの被害に遭う
ポストの中にゴミなどを入れられたり、郵便物を盗まれたりするかもしれません。集合ポストならポスト内の被害で収まりますが、ドアポストだと家の中まで被害が広がってしまいます。
特に、隣人トラブルやストーカー被害に遭っている場合は対策が必要です。
防犯以外でドアポストに対策を行った方が良い理由
防犯面以外にも、ドアポストに対策を行うべき理由があります。
隙間風が入ってくる
ドアポストは風で開閉するくらいの密閉力しかありません。そのため、ドアポストから隙間風が入り込んできます。
せっかく室温を適切にしても外気が入り込んでしまうため、不快に感じてしまうかもしれません。
虫が入ってくる
ドアポストから虫が入ってくることもあります。外側は密閉されていないので虫が簡単に入れる状態です。また、受け側にも隙間があるので、室内まで虫が来てしまいます。
チラシなどが挟まって隙間が空いていると、虫が侵入しやすくなるので、こまめにポスト内を空にすることが大切です。
ドアポストの外側からできる防犯対策
ドアポストに防犯対策が必要な理由を解説してきました。ここからは、どのように対策を行えばよいのか解説します。まずは、ドアポストの外側からです。
この対策を行うと、外側から投函できなくなるので、集合ポストに投函してもらう旨の張り紙などを貼ってください。
テープでドアポストを塞ぐ
ドアポストの外側にガムテープや養生テープを貼る方法です。隙間をなくすことができるので、隙間風や虫の侵入を防ぐことができます。
テープだけだと、覗きやサムターン回しを完全に防ぐことはできません。しかし、剥がされた痕跡から狙われていることを把握し、防犯を強化することはできます。
ドアポストを塞ぐグッズを使う
ドアポストを完全に塞ぐことのできるグッズが販売されているので、それを使いましょう。
これなら、サムターン回しや覗きを防ぐことができます。穴あけ不要で取り付けられるグッズもあるので、賃貸住宅の場合はそちらを使用してください。
ドアポストの受け側を取り外して使用するため、ドアと溶接してある場合は使えないかもしれません。
ドアポストの内側からできる防犯対策
次にご紹介するには、ドアポストの受け側の部分に行う防犯対策です。
覗きやサムターン回しを防ぐのに向いていますし、玄関に郵便物を投函してもらえます。
目隠しになるものを取り付ける
受け側に隙間が開いている場合は、目隠しになるものを取り付けましょう。風になびいたり、すぐに取れたりしないような取り付け方にしてください。
例えば、透けにくい布を隙間に貼ってガムテープで固定するという方法があります。これでドアポストから覗いたとしても真っ暗で室内が見えません。
目隠し用のドアポストと交換する
目隠し用の受け側も販売されているので、そちらを取り付ける方法もあります。基本的に落下口が下を向いているので、ドアポストから覗いても下の光しか見えません。
また、落下口が下を向いていることにより、工具を使ったサムターン回しの難易度が非常に高くなる効果もあります。
受け箱が付いている製品と付いていない製品があるので、現在使用しているものに合わせると良いです。
受け箱に鍵を取り付ける
受け箱に鍵を取り付けることも有効な対策です。ドアポストから工具を入れて受け箱を開けると、サムターンが回しやすくなったり、室内が見えやすくなったりします。
鍵を取り付けることで受け箱が簡単に開かなくなるので、工具による攻撃を防ぐことが可能です。鍵はダイヤル式の南京錠などで問題ありません。
ドアポスト以外の防犯対策
ドアポストの防犯対策では不十分な点があります。防犯をより強固にしたい場合はこちらの方法も行ってみてください。
サムターンを防犯仕様にする
ドアポストから工具を入れたサムターン回しを防ぎたい方は、サムターンを防犯仕様にしましょう。つまみを押さないと回らないサムターンに交換したり、サムターンガードを取り付けてサムターン回しの邪魔をしたりします。
サムターンガードは安くて後付けも簡単なので、賃貸住宅ですぐに防犯対策をしたい方におすすめです。
補助錠を高い位置に取り付ける
サムターンガードがあっても、受け箱を壊されて手を入れられるとひとたまりもありません。そこで有効なのが、補助錠を高い位置に取り付けることです。
ドアポストから鍵までの距離が非常に遠くなるため、ドアポストから手を入れたとしても鍵まで届かなくなります。
工具によるサムターン回しの難易度も高くなりますし、2箇所開けなければいけないので侵入を諦めさせることが可能です。
ドスコープにカバーを付ける
ドアポスト以外にも、ドアスコープから室内の様子を覗くことが可能です。光の屈折を利用して外側からでも鮮明に室内の様子を見えるようにし、女性が着替えている様子を盗撮したという犯罪も起こっています。
それを防ぐにはドアスコープにカバーを取り付けましょう。ドアスコープ用のカバーが販売されているのでそれを利用したり、マグネットでカバーとなるものを取り付けたりするだけでも効果があります。
ドアポストに防犯対策をする時の注意点
様々なドアポストの防犯対策について解説してきました。
これらを実行する前に注意することがあります。特に、賃貸住宅の場合は規制が多いので、この注意点をしっかりと守るようにしてください。
見た目が変わる場合は貸主の許可を取る
ドアポストを塞ぐなど、外から見た時に明らかに変更が分かる場合は貸主に許可を取りましょう。賃貸物件の所有者は貸主なので、勝手にリフォームをすることは禁止されています。
ビス止めなどをしなくても、見た目が全く異なる場合は貸主とトラブルになるかもしれません。グッズを使ってドアポストを塞ぐ旨を相談してからの方がトラブルなく取り付けができます。
ガムテープで塞ぐくらいなら相談なしでも大丈夫だと思いますが、物件ごとにルールが異なるので相談してみるのが安全です。
穴開けなども貸主の許可を取る
ビスやネジなどで穴を開けた場合、退去時に原状復帰代が請求されます。もし、穴を開けて防犯対策を行う場合は、先に貸主に相談した方が良いです。
貸主によっては、「防犯対策なら仕方ない」として原状復帰代を請求しない可能性があります。
また、経年劣化によるドアポストの交換なら、貸主が費用負担してくれることもあるので、何かあったら貸主に連絡するようにしましょう。
交換したものは退去時まで保持しておく
賃貸住宅だと退去時に原状復帰をしなくてはいけません。その時に取り外した受け箱が無いと、受け箱代を請求される可能性があります。
無駄な費用をかけないためにも、外した受け箱などは退去時まで保管し、退去時に元に戻すようにしましょう。
集合ポストが無い場合は別の方法を考える
集合ポストがなく、ドアポストのみの場合、ドアポストを塞ぐと郵便物が投函できません。そうなると自分で郵便物を営業所まで取りに行く必要があります。
それでは面倒なので、ドアポストを塞がずにできる防犯対策を行ってください。隙間風が嫌な場合は、投函する時だけテープを剥がしてもらうなどの工夫をしましょう。
玄関横に新たにポストを設置する方法もありますが、廊下に私物を置くことが禁止されていることが多いです。貸主に聞いてみて許可が下りた場合のみ設置できます。
ドアポストの防犯対策は安心への一歩
ドアポストは自宅から出なくても良いというメリットがある反面、防犯性に欠けるというデメリットもあります。しかし、しっかりと対策をすれば防犯性を上げることができ、被害に遭う確率を減らすことが可能です。
空き巣や覗きなどの被害に遭わない安心した生活を送るためにも、ドアポストという細かい部分の防犯対策も怠らずに行いましょう。